1日に必要なビタミンCを効率良く摂取できる食べ物の一覧【文部科学省の全食材データより】

1日に必要なビタミンCを効率良く摂取できる食べ物の一覧【文部科学省の全食材データより】

1日に必要なビタミンCを効率良く摂取できる食べ物の一覧【文部科学省の全食材データより】

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あきふみ@100g運営者

「100g」運営&開発者。コロナをきっかけに食材の栄養価に興味を持ちそこから分子栄養学を自身で実践するようになったエンジニア。「まずは食材から」のスタンス。

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  • 1日に必要なビタミンCの量を摂取できる食べ物を100gあたりでほぼ網羅しました。

    野菜であれば、ピーマン、ブロッコリーが食べやすく1日の推奨量を満たしやすいです。
    肉であれば、豚に多く含まれています。
    海産物であれば、海苔に多く含まれていますが食事の具として少し食べるだけでは十分量を抑えることは難しいです。
    果物であれば、アセロラがダントツで、スーパーで入手しやすいものであればキウイやレモンに豊富に含まれています。
    (文部科学省の日本食品標準成分表2020年版を参照)

    ※デフォルトは成人男性の基準です。個人にあった量は登録することで表示できます。

    ビタミンCと吸収率

    厚生労働省eJIMによると、ビタミンCの摂取量が180 mg/日までは約70%~90%が身体に吸収されるといわれます。
    しかし、「1000mg/日 を上回る摂取量では、吸収率が50%未満に低下し、吸収されて代謝されなかったアスコルビン酸は尿中に排泄される」といわれています。

    ただし

    吸収されなかったビタミンCは、大腸で乳酸菌などのいい菌を増やしてくれたり、便をやわらかくしてくれます。 (オーソモレキュラー 栄養医学研究所 - ビタミンC より引用)

    とあることから、5000mgまで摂取すると吸収率は21%まで下がるとされながらも無駄になって捨てられるわけではなくむしろ他の作用へ有効活用されることがわかります。

    ビタミンCは熱に弱い説

    ビタミンCは水溶性ビタミンのため熱に弱いという通説がありますが日常的な調理の中であれば茹で以外では特に気にする必要はないと考えます。

    ①ビタミンC(L-アスコルビン酸)単体で加熱しても損失量は少ない(ビタミンCは加熱すると壊れるか - 宇都宮大学の実験 の実験では5時間加熱しておよそ13%弱減り、20時間加熱を続けておよそ25%の損失だった。)

    ②実際の茹で調理では他の栄養素と一緒に加熱されるがビタミンEやフィトケミカルなどは分解を抑制してくれる

    ③食材のビタミンCは細胞壁を壊してから取り出されるためすぐに損失するわけではない(むしろ細胞壁から取り出すことができた分だけ体内で吸収できる量は増える)

    ④茹でによって食材の中のビタミンCの含有率は減るがスープの中には残っている

    上のように損失はあまりありません。

    日常的な調理で気にするとすれば④の茹でによってビタミンCがスープの中に流れ出ることです。
    茹でた汁を捨てる場合は茹で時間をなるべく減らし、スープとして飲む場合は気にしなくても良いでしょう。

    スープにしてビタミンCを摂るならビタミンACE(エース)で調理すると良い

    これはビタミンA、ビタミンC、ビタミンEを合わせたエース(ACE)という呼び名です。

    ビタミンCの損失を減らすのであればビタミンACEで調理すると良いです。

    ビタミンACEがあればお互いに弱点を補い合う力が働き壊れにくくなるといわれます。(書籍:最強の野菜スープを参照

    特にブロッコリーに関してはACEを含んだ食材です。

    多種類の栄養たっぷりのスープにすることで壊れにくくなる上に、先に述べたようにスープは細胞壁を壊して栄養を取り出してくれる役割もあります。

    炒めた野菜でビタミンCを摂るなら24時間以内に食べると良い

    中部大学の実験「 新鮮野菜および調理野菜の食する 時点におけるビタミン C 量 」によると、15種類の野菜のビタミンCを、茹でた場合と炒めた場合とで量を比べた場合で炒めた方がビタミンCの損失は全体的に少ないことがわかりました。

    しかし、茹でた野菜と炒めた野菜のビタミンCの残った量を24時間後にはかると、酸化したビタミンCの量の割合が多くなっていたのは炒めた場合

    ビタミンCは体内で酸化することで他の栄養素を再利用できるようにする(還元する)働きがあるため酸化する前のビタミンCを多くとった方が良いとすると、炒めものの場合はできたての状態で食べるべきといえます。

    特にジャガイモは酸化を抑制する働きが弱いため実験では残ったビタミンCの内の6〜7割が酸化したビタミンCになっています。(そのせいで酸化してないビタミンCは調理前の量と比べて20%ちょっとしか残っていない)

    基本的につくりおきをするなら茹で調理、すぐに食べるなら炒め調理の方が良いでしょう。

    ビタミンCには耐用上限量がない

    ビタミンCには取りすぎ(耐用上限量)はありません。

    サプリメントや注射などによって大容量を取り込む場合は別として日常的な食材からとれる分においてとり過ぎは気にしなくて良いでしょう。

    分子栄養学から見るビタミンCの摂取量

    ※量はタンパク質を十分に摂れている人が前提です(1日最低でもタンパク質を体重1kgあたり1g以上を"不調や違和感なく継続して摂れている"前提。体重50kgなら50g。この話の詳細はこちら(準備中))。

    ビタミンCが吸収できる効率はDNAにより個人差があるので一人一人異なります。個人差は数十倍の開きがありますがどのようにして最適量を見つければ良いのでしょうか。

    一つの簡単な目安としてお腹がゆるくならない量になります。また一度にたくさん摂るより朝昼晩のように小分けにして取った方がゆるくなりません。

    言い換えると、分子栄養学として必要なビタミンCの摂取量は天井を10gとしてその内で自分のお腹がゆるくならないグラム数がビタミンCの摂取量の目安になります。
    (病気にかかっていない状態です)

    運営者の場合は4g摂ると軟便になったので朝と晩で3gを毎日アスコルビン酸の粉(ビタミンC)としてとっています。アスコルビン酸の粉はまとめて買うと非常に安価なので1日あたり数十円ですみます(運営者が買ったものは1日あたり10円くらいの価格)。

    分子栄養学の三石 巌先生は、風邪を予防する目的にビタミンCを摂取する場合は10gを上限に毎日摂るべきとしました。

    また、厚生労働省の食事摂取基準は100mgですので10gとは100倍異なります。あまりにも異なる数字ですがこれは厚労省の数値がビタミンCの欠乏症、つまり壊血病を想定した数値であり現代に合っていない量と三石先生はいいます。

    すなわち、戦時中や航海時代や江戸わずらいが流行っていた頃に必要だったような量を現代にも当てはめてしまっています。

    当然ながら壊血病以外にもビタミンCが足りないことによって生じる不調はたくさんあります。
    したがって目的によって摂取すべき量は変わるため基準は人それぞれになるはずです。

    じゃあどのくらいとれば良いのかというと、ビタミンCは10gを超えて単体でとってしまうと一部は活性酸素を生み出してしまうと言われており、個人の裁量でたくさん摂るとしても10g未満がやはり無難となります(もしくは分子栄養学を理解した医療従事者と相談する手もありますが世の中に殆どいない)。

    加えて、生きていて誰しもが遭遇しやすい風邪を予防できる量というのは一つの良い目安となると思いますしこれも10g未満で達成できます。(なお、マイコプラズマ由来の風邪には効果がある)

    実は風邪を予防できる量というのはインフルエンザの予防にも繋がる量になります(ポーリング博士の主張です)。感染予防にまでつなげられる量であれば大多数の用途を満たしてくれるのではないかと考えています。

    ビタミンCを用いた分子栄養学の先駆者であり、ノーベル賞を2回受賞したライナスポーリング博士は、
    ①8時間ごとにビタミンC1000mg(すでに風邪ならその間は2000mg)
    ②腸が不調を覚えたら50%量を減らす
    この方法を実践したグループの85%が実践なしのグループと比べて風邪とインフルエンザの症状が減少したことを実験で確認できたそうです。

    (当時から医学界からビタミンCによる実験の成果が無視される傾向にあるようで最近の研究結果でもビタミンCをとったところで有意な差はないと結論づける論文が少なくないようです。

    運営者も英語圏のサイトや論文などでググってみましたがビタミンCを毎日とったところで1日早く風邪が治る程度でそのために毎日取り続けなければならない。それでも効果を期待するのであればとったらいいのでは。

    といった論調で否定的なものも中には含まれていました。しかし50年以上前のポーリング博士の実験もまた嘘ではありません。)

    なぜ大量のビタミンCが必要なのか

    口に入れたものを分解してくれる酵素の形に個性があります。人の顔がそれぞれ違うのと同じ理由(DNAに刻まれたタンパク質の配列に違いがある)からです。

    この酵素の形が異なるせいでビタミンCと酵素がくっつくことができないと吸収できないのですがこれに個人差が大きいためです。
    (分子栄養学ではパーフェクトコーディング理論という根拠に基づいてそのように考えられている。)

    この吸収のしやすさの異なりを考慮した上で人に必要なビタミンCを補おうとするとビタミンCを大量に摂る必要が出てきます。

    このDNAによって吸収できる量が変わることを確率的親和力といいます。

    加えて全身の様々な部位にビタミンCが使われていますが使われる優先順位に関しても個人差があります。
    これを分子栄養学ではカスケードモデルと呼ばれています。

    優先順位は低いところも考慮してビタミンCを十分量を補給しようとするとメガビタミンが必要になると考えられています(分子栄養学の話であり厚労省の話とは別になります)