1日に必要なビタミンEを効率良く摂取できる食べ物の一覧【文部科学省の全食材データより】

1日に必要なビタミンEを効率良く摂取できる食べ物の一覧【文部科学省の全食材データより】

1日に必要なビタミンEを効率良く摂取できる食べ物の一覧【文部科学省の全食材データより】

ライター画像
あきふみ@100g運営者

「100g」運営&開発者。コロナをきっかけに食材の栄養価に興味を持ちそこから分子栄養学を自身で実践するようになったエンジニア。「まずは食材から」のスタンス。

  • Twitter
  • Facebook
  • LINE
  • 1日に必要なビタミンEの量を摂取できる食べ物を文部科学省の全食材データより100gあたりで多い順に網羅しました。

    野菜であれば、アーモンドやピーナッツ が入手しやすく1日の推奨量を満たしやすいです。

    肉であれば、豚やクジラに多く含まれています。

    海産物であれば、あゆやアンコウに多く含まれています。

    果物であれば、オリーブやすだちが豊富ですが、スーパーでより入手しやすいものであればアボガドやブルーベリー 、これらにも豊富に含まれています。

    ※デフォルトは成人男性の基準です。個人にあった量は登録することで表示できます。

    料理から効率良くビタミンEを摂取するにはスープが良い

    ビタミンA,ビタミンC,ビタミンEを含んだ食材でスープにするとビタミン同士の相乗効果でビタミンEの効果をグンと高めることができます。

    ピーマンや大根、ブロッコリー(一覧表を参考にしてください)などにもビタミンEは含まれます。
    しかし野菜にはビタミン類およびフィトケミカルなどが多く含まれますが包丁で刻んだり人間が噛むだけでは細胞壁を壊せません。そのため生のままだとせっかく野菜が豊富に含んでいる栄養素を最大限に活かすことできません。

    ビタミンEではありませんがフィトケミカルなども生のままではカラダの中で吸収されず排泄した便に残っているそうです。
    そしてフィトケミカルの中にも抗酸化物質が多く含まれており、抗がん剤を研究している前田 浩先生は書籍「最強の野菜スープ」の中で、野菜スープにすることで抗酸化力がナマに比べて10倍〜100倍も異なることが実験で判明したと記載しています。
    (食材ごとに倍率が異なります。ブロッコリーやナスなどは数十倍、シュンギクなどは100倍近く抗酸化力が高まる)

    さて、ビタミンEの働きはカラダに様々な効果をもたらしてくれます。ではビタミンEの働きとは主に抗酸化物質として細胞を守ってくれることです(あとは代謝補酵素などの役割)。
    このことが様々な良い効果をカラダにもたらします。

    しかしビタミンEの働きと同じように一部のフィトケミカルも抗酸化物質として働きますのでスープにするだけで吸収できる栄養素も増えビタミンE+αで抗酸化力を高めることができます。

    そしてACE(エース)の含有量の多い食材をチョイスしてスープにすれば抗酸化力の効果を最大限に活かすことができます。

    植物油とビタミンE

    オイルにもよりますがビタミンEを摂取する目的で植物油を過剰にとることはオススメできません
    ひまわり油を始めオイル系にも豊富にビタミンEは含まれていますが不飽和脂肪酸(ふほうわしぼうさん)を多く含むオイルというのは、飽和脂肪酸とちがい体内で過酸化脂質をつくってしまいます(自動酸化してしまう)。
    マウス実験では体重1kgあたり0.26μgの過酸化脂質(リノール酸で)をあたえたものが致死量になるとのことで、少量でも身体へのダメージが大きいことが伺えます。

    過酸化脂質に対してビタミンEは抗酸化物質ですので一見すると不飽和脂肪酸が酸化するのを抑えてくれるので良いように見えます。ですが抗酸化のために使われてしまったのであればビタミンEのためにオイルを摂ることは非効率です。

    そんな不飽和脂肪酸の量に対してビタミンEの量が多いオイルもあり、小麦胚芽オイルがそれになるのですが、小麦1kgあたり10gしか抽出できないと言われるほど摂れる量がわずかしかないためスーパーなどで気軽に手に入りません。
    また、次に綿実油がビタミンEの含有量が多いのですがオメガ6系のオイルは日常的にとりやすくて不足しづらいことと、とりすぎると炎症作用があるといわれるのでとりすぎるのは避けたいところです。

    やはり、ビタミンEをメインとしてオイルから摂るのは基本的には避けた方が良いといえます

    国際的に成人1日あたり20mgが推奨されていたビタミンE

    アメリカ食品薬品局は1968年の段階でビタミンEを1日20mgを推奨していました。しかし日常的な食事の中で摂れるようにと10mgに推奨量が変更されました。
    また、アメリカ食品薬品局は不飽和脂肪酸(主に植物油などになる)からビタミンEを摂る場合は多めに摂るようにという見解です。

    鉄とビタミンEはできるだけ別々に摂取する

    ビタミンEは鉄の触媒作用により酸化されてしまい効果がなくなります。
    そのため、鉄とビタミンEは最低でも8時間は間隔をおいた方が良いといわれます(「ビタミンE健康法(三石 巌)」参考)

    つまり、ビタミンEを目的として食事を摂る場合はレバーのような鉄の多い食材とブルーベリーのようなビタミンEの多い食材はなるべく一緒に食べないようにすると良いことがわかります。

    避けられない場合は多めに摂ることで損失分を補うように多めに摂る工夫も必要。

    肉とビタミンE

    動物性食品にビタミンEが含まれるのは穀物や大豆類のエサにビタミンEが含まれることにも由来します。
    牛にビタミンEを高容量をあたえた実験で牛のビタミンEの含有量が増加したというものもあります。

    そのため、ビタミンEが豊富なエサをあたえられた肉は比較的にビタミンEが多く含みます。例えば国産のハム工房グローバルのブランド豚には通常豚の3.5倍のビタミンEが含まれているそうです(和豚もちぶたオンラインショップ

    ビタミンEは推奨量より多く摂るべきか

    日常的に食事やおやつで摂れる程度のビタミンEの量で問題になることは考えにくいです。
    多めに摂れそうであればとっても良いでしょう。

    現代社会では油っこい食べ物が多いこと、酸素を吸っているだけでも活性酸素がつくられそこから過酸化脂質が生成されることもあり、それらを抑えるために抗酸化物質のビタミンEは多めに摂れるのであれば摂った方が良いと考えます。

    ビタミンEを減らす食べ物

    ビタミンEは不飽和脂肪酸が参加すること、過酸化脂質が悪い物質を生成することを抑えるために使われます(細胞膜のすきまに入って細胞60兆個を守ってくれる)。ですので、ここで逆にビタミンEを減らしてしまう食べ物をあげる場合、過酸化脂質を多く含んでいる食べ物ということになります。

    ポテトチップスやドーナツ、魚の煮干し(油が残っているほど悪い)、せんべえ、バターピーナッツあたりは油が古くなっており過酸化脂質が多いため日常的にこうした食べ物をやめられないという人はビタミンEを多めに摂るようにすることで過酸化脂質に関連した老化を防げることになります。

    ビタミンCと合わせると節約できるビタミンE

    ビタミンEは不飽和脂肪酸が酸化することから守ってくれます。
    より具体的には活性酸素と不飽和脂肪酸がくっつく身代わりとなってビタミンEが酸化してくれています。

    この身代わりとなって酸化、つまりサビてしまったビタミンEからサビをとってくれるのがビタミンCです。ビタミンCがサビをとってくれるのことによりビタミンEは再利用することができます。

    つまり日常的にビタミンEがあまり摂れない人、もしくはよりビタミンEの効果を高めたい人はビタミンCを多めに摂ると良いといえます。

    分子栄養学から見るビタミンEの摂取量

    ※量はタンパク質を十分に摂れている人が前提です(1日最低でもタンパク質を体重1kgあたり1g以上を"不調や違和感なく継続して摂れている"前提。体重50kgなら50g。この話の詳細はこちら(準備中))。

    精神科医で分子栄養学にもとづいた指導で数多くの人の症状を改善してきた藤川徳美 先生(すべての不調は自分で治せるの筆者)は1日あたり400IU~800IU(268mg~536mg)を推奨量としています。まず食材から摂ることはほぼ無理な容量なのでサプリメントが必要になります。
    (藤川先生による症例改善の事例は精神科医こてつ名誉院長のアメブロに記載されています)

    また藤川先生の400IU~800IUとこの大きな差となっている理由は人は生まれもった性質により栄養素を取り込める効率が違うという"確率的親和性"という考え方のためと思われます。
    遺伝子によって人の見た目が一人一人違うように、栄養を取り込むためのタンパク質でできた酵素も形が違います。その酵素の形の違いがビタミン類の吸収できる効率を決めます。

    それにしても数mgの厚生労働省の推奨量と比較すると膨大な量です。何故でしょうか。

    一つにはビタミンEはカラダの細胞60兆個に膜をはっている不飽和脂肪酸の脂質の中にはいってカラダの細胞60兆個を守ってくれるからです。つまり60兆個分のビタミンEが必要ということになります。
    分子栄養学ではDNAや分子および細胞単位で考慮して必要な栄養素を考えます。

    加えて、藤川先生の書籍の引用をさらに引用するのですが、

    ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに掲載された、画期的な研究についてご紹介します。合計12万5000人の医療従事者が、数年間にわたり延べ83万9000人のビタミンE摂取状況を検討した結果、少なくとも100IUのビタミンEを毎日補給する人々は、心臓病のリスクが59~66%減少すると判明しました。


    イギリスのケンブリッジ大学研究者は、冠動脈硬化症と診断された患者は、400IU~800IU/日の天然ビタミンE(d‐αトコフェロール)を補うことにより、心臓発作のリスクを77%下げると報告しています。(藤川 徳美. 心と体を強くする! メガビタミン健康法より)


    とあるように、過去に400IU以上でビタミンEを摂取した場合の研究結果なども根拠にしているのかもしれません。

    ネットで検索するとビタミンEに関しては否定的な主張もありました。下はそうしたことに関する藤川先生の書籍からの引用。

    製薬会社と医学の権威者は、「高用量ビタミンEは抗血小板薬の作用を強めるので危険」と主張しますが、実際は抗血小板薬に比べても、ビタミンEの作用は圧倒的に安全です。血栓症の治療の際は、抗血小板薬は必要ですが、予防のためにはビタミンEの摂取は欠かせません。(藤川 徳美. 心と体を強くする! メガビタミン健康法より)


    藤川先生いわく、一般薬に比べるとリスクが低いビタミンEの治療による使用は1936年より数々の病気を改善できると成果が出ているのに医学界からは無視されているといいます。ビタミンC療法の元祖であるポーリング博士も医学界がビタミンEの研究を無視したことを非難していたそうです。
    加えて、先の引用の83万9000人もの大多数のデータを使った調査結果の記事を運営者で探したのですが見つかりませんでした。消されたのかはわかりません。

    実際、ビタミンとはそもそも体内で生成できないものの身体には必要な栄養素であり、かつビタミンAを除けば大抵は取りすぎても使われずに排出されるため副作用は起こったとしとしても大きなものになるとは考えにくいです。

    とはいえ運営者も海外の記事でビタミンEと病気に関する記事や論文について調べましたがビタミンEは「死亡率を高める」「数多くの実験で成果が出なかった」などの記事もあり真偽を判断するにも研究者ではない人には判断は難しいと感じました。
    これを読んで実践してみたいけど不安を覚えた人も少なくないかもしれません。結局のところ、体内でどのようにビタミンEが使われるのか、その作用について自身で学んだ上で自主管理的に大容量のビタミンEを摂取することが一番良さそうです。

    難しいですがトピック別にビタミンEの働きが学べる「ビタミンE健康法 - 三石巌」がオススメです。

    ※運営者はできる限りは食材から摂るべきという考え方です。抗老齢や心疾患の予防などのトピックに関して更に足を踏み込みたい人は参考にしてみてください
    ビタミンEの効果に関して引用をまとめたものはこちらにあります。

    合成ビタミンE(DL-αトコフェロール)は吸収効率が天然より悪い

    ただし、サプリメントなどから摂取する場合は天然のビタミンEを選んだ方がより効率良く摂取できます。(成分表に "DL-αトコフェロール" と記載されたものは合成)
    天然ビタミンE(D-αトコフェロール)は代謝補酵素としての働きをもちますが、合成の場合は効果があまりないため天然のものを基本的には選ぶべきです。

    運動とビタミンE

    スポーツの世界では高容量のビタミンEは有効であるとされる研究は1950年代にもあります。
    ビタミンEは不飽和脂肪酸の酸化を抑制することで酸素を細胞へ運びやすくなります。酸素を取り込める量が増すと筋肉のパフォーマンスが向上するといわれます。
    特に酸素濃度の低い高地などでは成績に有意な差がみられたという研究もありました。

    また、疲労困憊する運動は活性酸素を体内でつくります。この活性酸素が脂質を酸化させて、過酸化脂質などの生成に関わっているため、抗酸化物質であるビタミンEを多めに摂ることで身体の老齢化を抑えることができます。

    サプリメントなら複数種類のビタミンEが摂れる

    一般的に日常的にもっとも多くとれるビタミンEはαトコフェロールです。
    しかし実際のところビタミンEには8種類があります。これらを全てとろうとするとサプリメントの方が効率が良いでしょう。