ADHD(注意欠陥多動性障害)に関する栄養素を多く含んだ食材とは【文部科学省の全食材データより】

ADHD(注意欠陥多動性障害)に関する栄養素を多く含んだ食材とは【文部科学省の全食材データより】
ADHD(注意欠陥多動性障害)に関する栄養素を多く含んだ食材とは【文部科学省の全食材データより】

ADHD(注意欠陥多動性障害)に関する栄養素を多く含んだ食材とは【文部科学省の全食材データより】

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あきふみ@100g運営者

「100g」運営&開発者。コロナをきっかけに食材の栄養価に興味を持ちそこから分子栄養学を自身で実践するようになったエンジニア。「まずは食材から」のスタンス。

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  • ※当記事で掲載した食材に治療効果があるとうたうものではありません。すでに症状を診断されている方は病院で診てもらいましょう。
    ※当記事は精神科医として数多くの症状の改善事例をつくってきた藤川 徳美先生の著書やブログを参照にしました。(藤川 徳美先生のパニック障害に関する記事はこちら

    藤川 徳美先生は主に「プロテイン+鉄+ナイアシンアミド(これらを継続できたらビタミンB群とC、Eを追加)」を使った栄養療法とゆるい糖質制限でこれまで治療してきており「この方法でADHDは全員治っています。」とブログ記事(の最後の方)で書かれています。(該当記事:人生変わりました。


    そのため、タンパク質、鉄、ナイアシンを多く含んだ食材に絞って掲載しました。(量は厚生労働省の食事摂取基準の量なので治療に必要な個人最適な量とは全く異なります
    (文部科学省の日本食品標準成分表2020年版を参照)

    ※デフォルトは成人男性の基準です。個人にあった量は登録することで表示できます。

    ADHD患者はエネルギー不足の傾向がある

    藤川 徳美先生が使っている栄養素「プロテイン+鉄+ナイアシンアミド」を言い換えると、タンパク質、フェリチン値、ナイアシン(ビタミンB3)となります。
    ナイアシンアミドとはナイアシンの一種です。

    3つの栄養素は人のエネルギー産生(ATP産生)に大きく関わっている栄養素です。
    藤川 徳美先生もADHDのほとんどの場合においてエネルギー不足が原因としていると言っています。

    タンパク質はほぼ全身で必要な栄養素

    胃に入れたものを消化して栄養を素早く吸収するために使われるのは酵素です。
    身体中で酵素は使われていますが3000種類あると言われます。この酵素は全てタンパク質が材料となってできています。

    酵素は食べたものをどんどん分解してくっつけて、また分解してを繰り返しという化学反応をおこしてくれます。
    このおかげで食べたものが元気の源となるエネルギー(ATP)へ化学反応のバトンタッチ式で結果として産生されます。
    では酵素がないとどうなるのかといえば当然ながらエネルギー(ATP)はつくることができません。

    鉄はエネルギーを効率よく産生するために必要

    鉄はバトンタッチ式でエネルギー(ATP)へ変換する最後の段階で直接的に関わってきます(電子伝達系の補因子として働く)。

    そのため鉄がなければ途中まで効率的に化学反応をおこしていったとしても最後の最後でエネルギー(ATP)を産生できなくなってしまいます。

    ナイアシンはエネルギー産生に使われる栄養素

    ビタミンB群は代謝につかわれる栄養素です。そのためスポーツ選手のように代謝量が大きな人は代謝の分だけ多く必要とする栄養素でもあります。

    さて、中でもナイアシン(ビタミンB3)はタンパク質、糖質、脂質のエネルギー産生に関わっている栄養素です。
    ナイアシンは500種類ほどの化学反応(酵素にくっつく補酵素として)に関与していると言われます。

    ナイアシンに関わらずビタミンB群は相互に関与しているので余裕があれば日常の食事ではビタミンB群を満遍なくとれる食材をとれるとより良いと考えます。
    豚肉はビタミンB群が豊富ですしタンパク質も含まれています。

    栄養不足におけるADHDによる症状の男女の違い

    ADHDの男女比は5:1程度と男性が圧倒的に多い。
    これは、男性では栄養不足があるとほぼ全員が多動症状を呈するが、女性では無気力、無欲道になる人が多いからだと判断しています。
    また、発達障害全体の男女比は2:1程度です。
    この性差の原因は、男性は栄養不足(特に鉄不足)に脆弱なためだと判断しています。
    女性は妊娠、出産で鉄とタンパク質を失うので、栄養不足には男性と比べるとより強靱です。
    同じ兄弟でも、男の子は低フェリチンでADHDや発達障害だが、女の子は低フェリチンでも正常発達というパターンがとても多い。
    引用:一筋の光のようです。 - 藤川 徳美先生のブログ記事

    そのままの引用ですみませんが上記のようになっているとのこと。

    参考になりそうな治療の実例

    藤川 徳美先生がブログで掲載している治療例です。(一覧ページ

    PDD(広汎性発達障害)+ADHDと診断されている小学2年生の改善実例
    ADHDの3歳児の改善実例
    治療過程でIQが20上昇した知的障害+ADHDの小学生の改善実例
    自閉症疑い+ADHDの4歳児、8ヶ月で発達障害がなくなる改善事例
    ADHDと診断されている小学生と、その母親の改善事例
    ADHD+自閉症スペクトラムの小学5年生の改善事例
    ADHDの4歳児、3ヶ月でこれだけ改善した。の改善事例

    通常の食事ではとることが困難な量

    食材リストを載せておいてですが藤川 徳美先生が治療で使われている量(個人によって違いますが)は食事からとることは困難な量です。

    そのため本格的に実践するとなるとプロテインおよびサプリメント(市販のものとなると鉄ならキレート剤、ナイアシンならビタミンB群のサプリ)が必要となってきます。
    (国内サプリは信頼性が低いためNow foods、SOLGAR、SOURCE NATURALS、SOLARAYなどの海外産のもの。運営者もこれらの会社のサプリをとっています。値段はクリニックが勧めてくる高価なサプリメントよりは十二分に安いはずです。)

    食材からでは限界があると感じた場合に参考になればと思います。

    先天性のケミカル・インバランスが原因の場合もある

    参考程度に精神分野で30年以上、栄養療法の分野を開拓してきたその分野で著名なジョージウォルシュ博士の書籍の内容を一部引用しました。

    ジョージウォルシュ博士は中には生まれつき脳内の栄養バランスに大きな偏りがありそれがADHDや行動障害を引き起こす場合があると著書「栄養素のチカラ」の中で解説しています。
    運営者の印象ですみませんが、書籍を読んだ印象として症状が重い人が主に前提となっているのかなと思います。(先天性の症状で犯罪を犯してしまった患者などを取り上げています)

    さて、ジョージウォルシュ博士に関するADHD患者へのアプローチですが

    私の化学データベースは5,600人のADHD患者中75%が明らかな行動障害の履歴があることを示している。ADHDは主に3つのサブタイプに分けられ、それぞれ異な特徴を有する
    William J Walsh. Nutrient Power (Japanese Edition) (Kindle の位置No.2771-2773). La Belle Vie Laboratory Inc. Kindle 版. 

    としてADHDには主に3タイプにADHD患者を分類してそれぞれの患者に必要なアプローチを書籍で載せています。

    1 主に不注意(知性は高いが集中力が欠如しているタイプ)
    2 主に衝動的で過活動(常に動き回り知能に関わらず成績は低いタイプ)
    3 過活動/衝動的と無頓着さの組み合わせ(1と2よりさらに成績が低い)


    1 主に不注意の患者は栄養素不足の解消(半分以上で葉酸、ビタミンB12、亜鉛、コリンが不足しているので不足を補う)
    2 主に衝動的で過活動の患者は「銅と亜鉛」のバランスが悪いことが原因なのでバランスを整える
    3 過活動/衝動的と無頓着さの組み合わせはの患者は「銅と亜鉛」のバランスが悪くさらに他の金属バランスも悪い場合があるのでそれらのバランスを調整

    で対策をしています。「銅と亜鉛」のインバランスは先天性で悪い状態になっている人がいるそうです。
    (藤川 徳美先生とはまた異なる栄養療法の内容ですが内容的に個人で実践できるレベルを優に超えているためこういうのもあるんだ、レベルの参考程度でお願いします。)