代謝に関わるビタミンB群 + ビタミンCが疲労回復に良いとされています。
疲労回復するには代謝を促すことが必要です。代謝を促すことで筋肉にエネルギーを効率良く運べるようになり疲労物質である乳酸がたまりにくくなります。
特に代謝ビタミンとも呼ばれるビタミンB群は疲労回復に必要です。とりわけ疲労物質である乳酸を減らしてくれるビタミンB1を意識的に取りたいところです。(ビタミンB1が含む食べ物は他のビタミンB群を含むことが多い)
また、ビタミンCは代謝するために必要な素材(L-カルニチンの材料)となり筋肉疲労に役に立ちます。そのため積極的に取りたいです。ビタミンCは活性酸素の抗酸化作用もあります。
※パントテン酸は多くの食材に含まれており日常的な食事で不足しづらいため下記リストに載せていません
(文部科学省の日本食品標準成分表2020年版を参照)
※デフォルトは成人男性の基準です。個人にあった量は登録することで表示できます。
運動する分だけ代謝量も増えます。
ビタミンB群の栄養素は代謝量に応じて多く使われてしまうため運動するほどより多くのビタミンB群が必要となります。
したがって厚労省の定める推奨量よりも多く摂れるのであれば積極的に取りましょう。
過去に運動を活発にする人に脚気の症状があらわれた事例もあります。これはビタミンB1が不足することで起こったためです。
ビタミンB1、B2、B3(ナイアシン)、B5(パントテン酸)、B6、B12、葉酸、ビオチン 、
そしてビタミンCが代謝の補酵素などの役割となります。
特にビタミンB群が足りないと代謝するための栄養素が足りなくなってしまい乳酸がたまりやすくなり疲労回復しづらい身体になります。
(参考:ビタミンB群とは - オーソモレキュラー栄養医学研究所)
イミダゾールジペプチドは鶏むね肉100gで1日の推奨量を摂ることができます(200mg)。胃のなかで一度、アミノ酸に分解されて身体の中で再び合成されることで取りこまれます。
この成分は、疲労回復につながる様々な食品素材の中で抗疲労効果があったという研究からきており最近となって注目を浴びました。
アップルフェ ノン,アスコルビン酸(ビタミン C),還元型コエ ンザイム Q10,D ─リボース,クエン酸,茶カテキ ン,クロセチン,ビタミン B1 誘導体,イミダゾー ルジペプチド(カルノシン,アンセリン),オルニ チンの抗疲労効果を明らかにし,論文として発表し た。このうち,イミダゾールジペプチドは,酸化バ イオマーカーを減らし,運動性疲労で増加するサイ トカインの上昇を抑え,疲労感と疲労パフォーマン ス双方に効果がある理想的な抗疲労成分であること が判明し,イミダゾールジペプチド含有飲料などが 新しく開発されている。
引用:疲労の科学・脳科学と抗疲労製品の開発 渡辺 恭良
また、ラットの実験でイミダゾールジペプチドはビタミンB6によって増加することがわかっています。(参考:ビタミン B6 による NLRP3 インフラマソームおよび イミダゾールジペプチドの制御を介した抗炎症効果)
イミダゾールジペプチドもアミノ酸がくっついたものですので、アミノ酸の代謝に関わるビタミンB6含むビタミンB群は幅広く摂っておくとより疲労回復につながると考えます。
疲労回復に繋がるビタミンB1は糖質の代謝に使われます。
したがって糖質を多くとること=ビタミンB1の多くの消費に繋がるため栄養不足になりやすくなります。
カフェインと糖質の多いエナジードリンクはカフェインにより一時的に覚醒することと血糖値が上がることによって元気になったと身体は一時的に感じることができますが疲労自体は回復しません。
カフェインの場合は交感神経を優位にさせることで感覚を麻痺させているため一時的なものです。
糖質は血糖値を上げることで一時的に脳へのグルコース量が増えることで集中力が高まりますがその後にインスリンが分泌されて血糖値が急降下してしまいます。
すると脳にまわるグルコースの量が平常時よりも少なくなってしまうため眠たくなってしまいます。
例外のものもあるかもしれませんが、エナジードリンクは疲労回復に意味がないどころか、インスリンを分泌することは膵臓に負担をかけることですので、内臓疲労を促進しておりむしろ逆効果です。
筋トレしている人であればしっかりタンパク質がとれている場合が多いことでしょう。
しかしタンパク質(に含まれたアミノ酸)がビタミンCと共に代謝を促すために必要な物質(L-カルニチン)を生成するため、それが代謝を促すことに通じます。
タンパク質(アミノ酸)は神経伝達物質の材料になってセロトニンを生成(トリプトファンから生成)したり神経伝達物質を運んでくれたりする役割もあるため肉体的な疲労感でないところでも必要となります。
疲労とは①疲労の要因となる物質(乳酸)が身体に溜まること、②筋肉に必要なエネルギーが生産されないことによって引き起こされます。
2つとも代謝が促進されることで抗疲労対策につなげることができます。
ビタミンB群の全般、ビタミンC(を素材に作られるL-カルニチンなど)は代謝に関わる栄養素なので余裕があれば一緒に摂っていきたいです。
疲労感が代謝とは別のところからきている可能性もあります。
疲労を3種類に分けると、
肉体的疲労、精神的疲労、神経的疲労の3つに分かれます。
代謝が改善することで肉体的疲労は改善できますが、精神や神経の疲労はビタミン以外の栄養(十分なタンパク質や鉄の摂取、神経伝達物質の素となるそのほかの栄養素など)が必要ですし、日常生活の別のところにも要因があるかもしれません。