※当記事で掲載した食材に治療効果があるとうたうものではありません。すでに症状を診断されている方は病院で診てもらいましょう。
※当記事は精神科医として数多くの症状の改善事例をつくってきた藤川 徳美先生の著書やブログを参照にしました。(藤川 徳美先生のパニック障害に関する記事はこちら)
藤川 徳美先生はその著書「うつ消しごはん タンパク質と鉄をたっぷり摂れば心と体はみるみる軽くなる!」の中でパニック障害の原因としてもっとも典型的なものが鉄とタンパク質不足であるとしています。
加えて、(世界一シンプルな)女性のうつ病・パニック障害の治療。ではナイアシン(ビタミンB3)とビタミンCが治療に使用されています。
そのためこの記事では鉄とタンパク質、ナイアシン、ビタミンCが多い食材を紹介しました。
厚生労働省に基づいた1日にとりたい栄養素の量は以下のとおりです。
(文部科学省の日本食品標準成分表2020年版を参照)
※デフォルトは成人男性の基準です。個人にあった量は登録することで表示できます。
鉄は人間のエネルギー産生の効率に大きな役割を果たします。
タンパク質は代謝に絶対的に必要な栄養素です。身体の中で化学反応を起こすためには酵素が必要なのですがタンパク質から酵素が作られます。
つまり鉄・タンパク質がなければ必然的に思考するためのエネルギーすら産生できなくなっていくことになります。
低タンパク質の期間が長い人はタンパク質を分解するための酵素の量も少ないため例えばプロテインを少量飲んだだけで気分が悪くなったりすることがあります。
この場合は少しずつタンパク質を取り入れる量を増やしていくしかありません。
分子栄養学的には体重1kgあたり1gがタンパク質の最低限の必要量です。
しかしそこまで到達するのに年単位を要する人もいるため個人の努力で難しい場合は分子栄養学(もしくは分子整合医学)に通じたお医者さんなどにアシストしてもらいながら摂取できる量を増やしていくと良いと思われます。
藤川 徳美先生の場合は血液検査によって具体的にどのくらい鉄不足でどのくらいタンパク質が不足しているのかを測った数値を改善していくというアプローチをとるそうです。
(他の栄養療法を取り入れた病院もおそらく同様)
鉄の場合はフェリチン値(鉄 + タンパク質が結合したもので身体に貯蔵できるタイプの鉄分)
タンパク質の場合はBUN値(タンパク質が代謝された後の尿素に含まれる窒素の量)
の2つの数値が見られます。
鉄はエネルギー産生の最後の段階(電子伝達系)でエネルギーの通貨(ATP)をたくさんつくる際に使われます(補因子となる)。そのおかげで最終的に34個のエネルギーの通貨(ATP)をつくることができるようになります。
糖質オンリーの代謝の場合は2個なので17倍の差が開きます。
タンパク質と鉄以外で代謝に必要な主な栄養素はビタミンB群とビタミンCです。
糖質をたくさんとると糖質を分解するビタミンB群をそれだけ消費してしまいます。
それだけでなく糖質をとるとインスリンを大量に分泌することになるため膵臓に負担をかけてしまいます。
ビタミンDは膵臓のインスリン分泌を促進する働きがあるためビタミンDも消費されてしまいます。
食習慣および国策(海外では食材に鉄を添加する法律などがある)により日本では鉄不足の女性が特に多いことになっています。
日本の女性で重度の鉄不足の方も少なくありません。
藤川 徳美先生のブログに記載されているブログの中から参考になりそうな記事を紹介します。
栄養療法についての意見は千差万別だと思いますし否定的な論文も昔から少なくありません。
しかし実際に改善した実例であるという点を踏まえて掲載しました。
パニック障害+起立性調節障害(OD)の女子高生
パニック障害5年目の人の改善例
精神科クリニックに通っていた40代女性の改善例
強迫性障害+パニック障害の女子高校生の改善例
検査では全て正常と診断された40代女性の改善例